「教師になろうか迷っている…」
「自分は教師に向いているだろうか?」
このブログ記事は、そんなあなたに向けた記事です。
教師になる理由として、
「本を読むのが好きだから国語の先生になる」
「教えるのが好きだから先生になる」
「自分が高校生の頃の、あの先生みたいになりたい」
という人は多いと思います。
でも、この理由だけでは、教師になったあとに苦労が絶えないかもしれません。
教員の実情をよく知って、自分の価値観と合っているかどうかを考えると、後の後悔を減らせると思います。
教師に向いているか、一緒に考えていきましょう!
子供が好きかどうか
冒頭にも書いたこととも重なりますが、教師になる理由に
- 勉強や教えることが好き
- 担当する教科が好き
を挙げる人は多いですよね。
これらもあった方がいいですが、一番大切な要素は
子どもが好きか
どうかです。
当たり前のことですが、これに尽きます。
辛いことがあっても頑張れるのは、子供の将来を良くすることに生きがいを感じられるからです。
キレイごとじゃないですよ!本当に。
子供の特性を理解しつつ、生徒の好ましくない部分も受け止め、それでも自分が子供と一緒にいて楽しいと思えるか考える必要があります。
子供の特性① 予測不能(好き勝手に動き回る)
子供たちの中には落ち着きのない子がいます。
その子に影響されて一緒に遊びたい子どもも出てくることも普通のことです。
授業中にそうなると、大変。
たとえば、
教師にたりたての頃。
理科室(3階)に行くと、生徒が1mほどのガラス棒を振り回して、追いかけっこしていました。
ガラス棒を手放すように促したのですが、生徒は応じることなく逃げ回ってました。
ベランダに出て、振り回したガラス棒が折れ、校舎外の地面にまで落下。
結果的には、大きな被害はありませんでした。
でも、
「ガラス棒の落下先に人がいたら、生徒や教師が大けがをしていたかも」って思うと不安になりました。
僕にとって初めての生徒指導上の問題だったので、とてもショックでした。
後で考えれば「簡単に予測できたはずだ」と思えることも、起こる前だと気づくのが難しいこともあります。
問題が起こると、原因をつくった教師が、同僚や管理職、保護者から責められることもあります。
子どもが暴れても、周囲から何かを言われても、それでも
「この子の将来が少しでも良くなるように自分は行動している」という自負がある。
そういう使命感を持っている人は、教師を目指すべきだと思います。
子供の特性② 良くも悪くも素直(やる気のなさも態度にでる)
子供は良くも悪くも素直だったりします。
「それを言ったら友達が傷ついてしまうよね?」
という内容も、言ってしまうことがあります。
たまに大人でもいますね笑
自分が思ったことをそのまま口に出したり、態度に表したりしまう人です。
子供は、相手の立場に立って物事を考えるのが苦手です
なので、
- 授業中の居眠り
- 隣の席の人とおしゃべり
をして、教師の話を聞かない生徒もいます。
ある意味、「やりたいようにやる」という、とても素直な反応です。
- 眠い
- 面白くない
- ためにならない
こういった生徒の反応に対しても、
育てたい生徒像を自分の中にもち、教育のモチベーションを持続させられる
そういう人は、教師向きです。
子供の特性③ とにかく、かまってほしい
大人なら、 “距離感” をわきまえているので、
「相手が嫌がっている」
ということを察知して、距離を置きますよね。
でも、子供たちの中には
先生にすごく甘えてくる子がいます
家庭事情を聞くと、「そうなるかもな」とは思います。
僕の経験を挙げると、
- 生徒が背中から抱きつかれ、おんぶ状態になる
- 昼休みには相撲をとる
- 腕相撲を挑まれる
です。
こういうの苦手なんです。
これらの関わり合いも含めて、
生徒と一緒にいて楽しめる
って人は教師に向いていると思います。
子供の特性③ 気持ちをうまく言葉に表現できない
生徒たちは、自分の思いを言葉で説明することが苦手です。
精神的に幼いと、特にそう。
自分の不満や苛立ちをうまく伝える言葉を知らなかったり、気持ちを整理できなかったりします
僕が言われた言葉は、
「きしょい!(キモい)」
「うざっ!」
「マジむかつく」
などです。
殴られることはなかったですが、睨みはつけられたことは何回かあります。
教師も人間なので、
強い言葉で非難されたり、無視されたら傷つきます
だから、教師はタフな精神が必要です。
時代の求める生徒を育成したいか
最近の教育は、「教師が教える」のではなく「生徒の学びをサポートする」っていう方向性に変わってきています。
これまでは、「勉強を教える=教育」
↓
今後は、「変化の激しい時代を生き抜く力を育てる=教育」
つまり、
「教える」より「育てる」を重視するように変わってきている
ということです。
「人生100年時代を生き抜くため」ですね。
2007年生まれの人は50%の確率で107歳まで生きる
という試算を、書籍『LIFE SHIFT』で知り、驚きました。
昔みたいに、
「教えることが好きだから教師になった」
という志望理由では、今後、苦労するかもしれません。
先生が教えるのではなく、
生徒が自分たちで対話を重ねながら、深く理解する
という授業に変化しているからです。
今後も、少子高齢化やテクノロジーの大きな進歩で、社会が大きく変わっていく中、教育のあり方考え方も変わっていきます。
そのとき、
将来、生徒が生きていく上で何が必要かを考え、自分のやり方を変えていける
そういう人こそ教師に向いていると思います。
保護者との関係を築くのに苦はないか
保護者から信頼されていないと、生徒に問題が起こったとき、相当こじれます。
信頼関係構築のため、
- 学校で生徒に何かあったら、保護者に電話する(たとえば、怪我や体調不良、ケンカ、元気がない等)
- 学級通信で担任としての意見や学級での取組を発信する
- 町のスーパーで会った時は、保護者にあったときは会話する
なんかが必要だったりします。
保護者との会話では、
決して生徒のことを否定しない
という配慮も必要です。
学校の正当性だけを述べるだけでなく、保護者の気持ちを理解して信頼を得ようとする
こんな人が教師に向いていると思います。
長時間労働が叫ばれている学校現場でも、自分の人生が幸せに送れるか
現在、働き方改革が進められていますが、多くの学校現場ではまだまだ長時間労働が現状だと思います。
現在(平成28年度)における学校の勤務実態をデータで見ましょう。
出典:「公立小学校・中学校等教員勤務実態調査研究」報告書(文部科学省)
平日の勤務時間
教諭の場合、
1日の労働時間 | |
小学校 | 11時間15分 |
中学校 | 11時間32分 |
です。
時期によって増減はありますが、ざっくり自分の体感と同じです(僕は高校勤務)。
土日の勤務時間
教諭の場合、
土日の労働時間 | |
小学校 | 1時間7分 |
中学校 | 3時間22分 |
です。
中学校は部活動があるから、この時間になっていますね。
通勤時間を含めると、もっと長くなります。
自宅が遠いと、3時間ちょっとのために通勤が発生するのは痛いと思う。
部活動が盛んだと、一日練習や大会引率、遠征や合宿などもあります。
今後は、中高の土日における勤務時間は、段階的に改善されていきそうですね。
部活が段階的に地域移行されていきそうです。
休日の部活動における生徒の指導や大会の引率については、(中略)令和5年度以降、休日の部活動の段階的な地域移行を図るとともに、休日の部活動の指導を望まない教師が休日の部活動に従事しないこととする。
年齢別の勤務時間
若手ほど勤務時間が長い。
30歳以下は、小中学校ともに12時間くらいです。
持ち帰り業務時間
持ち帰り業務時間は、
平日 | 休日 | |
小学校 | 29分 | 1時間8分 |
中学校 | 20分 | 1時間10分 |
です。
若手教師は、持ち帰り業務も含めると、労働時間が12時間を超えます。
学校で仕事が終わらないために、自宅での時間は減り、
自分で本を読んで勉強する余裕はないんじゃないかな?
今後、働き方改革が進めば、これらの持ち帰り業務時間も減っていくのかもしれません。
自分が卒業した学校や教育実習の学校がすべてではないことを自覚しているか
自分が思う学校のイメージが違う
教師の経験がなくとも、学校(職場)の雰囲気は分かります。
全員、昔は生徒だったからです。
でも、自分が経験した学校がすべてだと思ってしまうと、
「こんなはずじゃなかった」
「イメージと違う」
となるかもしれません。
自分が卒業した学校が良かったからといって、将来、勤務する学校が良いと思えるかは、また別の話です。
教育困難校(いわゆる、荒れている学校)じゃなくても、教育は大変です。
高校には学科の違いで、生徒の特長が変わる
高校教師になりたいと考えている普通科卒の人は、学科も意識していた方がいいと思います。
普通科卒の人は、農業や工業、商業などの学校がイメージできないからです。
たとえば、僕が勤務した学校の生徒は、
- 国数英理社を頑張って学びたいと思っている生徒は少ない
- 男子生徒が多く体を動かして作業をするのが好きという生徒が多く、机に座って黙って話を聞くことに苦手意識を感じる生徒が多い
といった特徴がありました。
大学の受験指導をやりたいと思って教師になったところもあって、物足りなさを感じました。
公立学校の場合、どの学校に転勤するかは選べません(希望は出せます)。
特別支援学校として採用されることもある
特別支援学校の採用になるかもしれません。
僕の知り合いには、
「数学を希望していたが特別支援で採用」って人がいます。
特別支援学校で採用になった人に話を聞くと…
「教育に対する考え方が(いい意味で)変わった」
「特別支援学校でやっていけるように正式に免許や資格を取りたい」
「部活動指導をやりたくて教師になったのにできない」
年功序列が強い体制と旧態依然としている環境になじむか
年功序列
まだまだ日本の会社でも年功序列の給与体系が多いと思います。学校も同様です。
発言権もベテラン教師の方があります。
よく言えば、ベテランがなんでも決めてくれるからラクかもしれない。
個人的には、
変化を嫌う傾向が強い
と感じます。
行事や会議も「去年もやったから」「いつもやっているから」今回もやる、ってことも普通にあります。そういった雰囲気が好きでない人は教師として働くときにストレスを感じるかもしれません。
業務を効率化するIT化が、なかなか進まない
IT技術で効率化できるものが、改善されていないものも多いです。
- 職員室間の意思疎通は依然と内線電話のみ(チャットを使っていない)
- 紙の書類で事務処理が多い
- PCのスペックが低い(起動やネット回線、Officeの動作が遅い)
- 連絡網が未だに電話のみ(メール案内なし)
学校によるとは思いますが、公立学校は旧式のシステムでやりくりしているところが多いと思います。
徐々に、良くなっていくとは思います。でも、その進みはゆっくり進むと僕は考えています。
環境になじむ人は、保守的かつ我慢できる人
これも個人的なイメージですが、学校で働く人は、
変化が嫌いで保守的な方が適していると思います。
まとめ 教師に向いている人とは?
結論。
教師に向いているかどうかは、子どもが好きかどうか
この一点です。
子どもが好きでさえあれば、保護者や同僚とも意見を違えることがあっても、
子どもの将来を思う気持ちが、最終的には問題を解決に導いてくれるはずです。
長時間労働であっても、希望する学校でなくても、
生徒のために時間を使うことに生きがいを感じられれば、教師という仕事を充実してやることができます。
そういった人なら、子どもたちのために、学校の変化が急務だ感じれば、組織にはたらきかけていくでしょう。
人生は一度きり。
深く考えずに選択したばかりに、「あの時、教師の道を選んでおけばよかった!」とか「教師なんかになるんじゃなかった!」ということだけには、なってほしくないです。
そうならないために、この記事が役に立てば嬉しいです。
もう一度、自分を内観して、どうするべきか考えてみてください。
あなたの良い未来をお祈りしています!
【オススメ書籍】仕事選びに迷っている人へ
「自分にとっての幸せな仕事って何?」を考えさせてくれる本。
自分て何に向いているのかな?って考えらる本。
すぐには答えが出ないかもしれないけど、悩み続けた人だけが正解にたどり着けます。
ではでは。